福岡ソフトバンクホークス 埼玉西武ライオンズ
平成23年11月5日    解説:東尾修    実況:高橋将市    球場:福岡Yahoo!JAPANドーム
西武 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 1
ソフトバンク 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 1x 2
投 H : 杉内〜金澤〜森福〜馬原
  L : 涌井〜石井一久〜牧田
勝 馬原(1勝0敗1S) 負 牧田(0勝1敗)
S
本 H :
  L :
ソフトバンク
選手名
1 川崎
2 本多
3 内川
4 カブレラ
5 松田
6 小久保
7 多村
8 長谷川
9 山崎
 先発 杉内
西武
選手名
1 栗山
2 阿部
3 中島
4 中村
5 フェルナンデス
6 浅村
7 佐藤
8 銀仁朗
9 熊代
 先発 涌井

執念及ばず…149試合目、2011年シーズン終幕。
新燃岳の噴火で火山灰の舞うキャンプ地・南郷で始動した今シーズン、
東日本大震災によって延期された開幕と、その後およそ1ヶ月にも渡る遠征、
なかなか投打の噛み合わないチームは7月3日には最下位に沈み、借金は最大15まで膨れ上がります。
それでも超過密日程の夏場を苦しみながら乗り越えると、9月に怒涛の快進撃で2ヶ月ぶりの最下位脱出、
ロッテ・楽天を抜き去ると、迎えた144試合目、わずか6糸差ながら遂にオリックスをも上回り、
我らがライオンズは大逆転でのクライマックスシリーズ出場権を勝ち取りました。

札幌で行われた日本ハムとのファーストステージではシーズン終盤の勢いそのままに、
いずれも逆転勝ちで2連勝!!
王者・ホークスへの挑戦権を得てチームは福岡に乗り込みました。

しかし、チャンピオンブルーに染め上げられた鷹の殿堂、CSに苦しみ続けた王者のプライドに、
ライオンズの勢いと執念はわずかに及ばず、まさかの連敗を喫してしまいます。
王手をかけられ崖っぷち…それでも可能性がある限り、絶対に諦めるわけにはいきません!
日本一への道は4連勝のみですが、負けられない試合を全てモノにしてここまで進んできた今シーズン。
0勝3敗からの4連勝で王者を倒すことこそ、史上最大の下克上のシナリオです!

追い詰められたライオンズ、全てを懸けた一戦のマウンドを託されたのはエース・涌井。
今シーズン、不本意なピッチングが続いた涌井は、CS直前に南郷で行われた「勝利への執念」合宿で、
誰よりも早く球場に現れてトレーニングに励んでいました。
今こそ窮地に立たされたチームをエースが救うとき!涌井の意地をみせてもらいましょう。

涌井は初回、CS打率5割の先頭・川浮空振り三振に切ってとると、本多・内川も難なく打ち取り、
わずか10球で三者凡退に抑える最高の立ち上がり。
2回は先頭のカブレラを高めのストレートで空振り三振!
続く松田には四球を選ばれますが、すかさず走ってきた松田を銀仁朗が見事な2塁送球で刺してみせます!

一方、2回まで相手エース・杉内の前にノーヒットに抑えられていたライオンズ打線ですが3回、
銀仁朗がセンター前ヒットを放つと、CS初スタメンの熊代がきっちりと送り2死ながら2塁。
迎えるは得点圏打率リーグNo.1の栗山!3球目のチェンジアップを弾き返すと打球はライトの前へ!
ここで果敢にホームを狙った銀仁朗でしたが、多村の好返球の前に先制のチャンスを阻まれてしまいます。

さらに4回には、福岡に来てから内野安打1本と元気のなかった中島がセンター前ヒット!
中村空振り三振の後、盗塁でチャンスを広げますが、フェルナンデスはサードゴロに打ち取られてしまいます。
先制点の遠いライオンズ…。

それでも涌井は最強・ホークス打線を相手に5回までノーヒットピッチング!
5回にはカブレラ・松田・小久保を三者連続空振り三振に切ってとります!

ところが6回、先頭の多村に初ヒットを許すと、続く長谷川にも打球をライト前に運ばれてしまいます。
1死2・3塁と初めてのピンチを迎えた涌井…しかしここはエース!
川浮ノは初球を打ち上げさせてセカンドフライ!本多にはセンターに大きな当たりを放たれますが、
熊代が背走しながらも打球をしっかり掴み、先制点を与えません!

7回にもランナーを出しながら、ホークスの中軸を相手に無失点。
8回には再び無死から2人のランナーを出しますが、
山崎の送りバントを涌井が華麗なフィールディングで3塁に送って1つ目のアウトを取ると、
川浮ピッチャーゴロ併殺打に仕留めます!

なんとか涌井を援護したい打線ですが、尻上がりに調子を上げてくる杉内の球を捕えられず、
5回以降、1人のランナーも出すことができません。

涌井は9回にも一死から内川にヒットでサヨナラのランナーを許しますが、
続くカブレラを6-4-3のダブルプレー!
スコアボードに18個目の「0」を刻み、エースの意地がぶつかり合った一戦は延長戦に突入します。

そして延長10回、ライオンズ打線が遂にこの膠着状態を打破します!!
中村が左中間フェンス直撃の2ベースで一気にチャンスメイク!
するとCSに入って大暴れのフェルナンデスが2球目、内角低めのスライダーをレフト線へ!!
中村をホームに還す2ベース、待望の1点をもぎ取ります!
悔し涙を流しながらベンチに下がる杉内、そして10回のマウンドに備えキャッチボールを始める涌井。

誰もが涌井の完封勝利を信じて疑わなかった10回裏…。
2塁にランナーを背負いながら二死、バッターは8番・長谷川。
1-2と追い込んでからの2球は惜しくもボールの判定でフルカウント。
そして6球目…涌井の投じたスライダーは真ん中に入り、無情にも右中間へ…
奇しくも杉内と同じく127球目、涌井もチームを勝利に導くことができず、涙を拭いながら、
マウンドを石井一久に譲ります。
涌井の想いを全て受け取った石井一久は代打の松中をレフトフライに打ち取り、打線に後を託します。

しかし11回、栗山から始まる打順も森福の前に三者凡退。
12回は守護神・馬原から中村が執念のヒットを放つも、2塁に進めることすらできず…
最下位からの挑戦は夢半ば、ライオンズの2011年の戦いは終わりを告げました。
最後は意地でも引き分けに持ち込みたいところでしたが、幾度となくチームを窮地から救ってきた牧田が、
長谷川にサヨナラタイムリーを浴び、エース同士の最高峰の投手戦はまさかの幕切れとなりました。

「あと1勝」で優勝を逃した2010年、その「1勝」を掴みとって日本一への夢を繋いだライオンズが、
「あと1球」の重みを痛感する1敗で、2011年の終焉を迎えました。
絶対王者として11球団を制圧したホークスに一矢報いることはできず、
逆襲のときは来シーズンへと持ち越されます。

最後の最後で1番のピッチングをみせ、スーパーエースの片鱗をみせた背番号18が、
完全復活を遂げた永遠のエースが、救世主となったルーキーが、
他を寄せつけない48本のアーチを描いたキングが、レギュラーを掴んだ若獅子が、
そして、帰ってくる不動のリードオフマンが!2011年を乗り越えたライオンズナインは、
逆境に負けずに闘い続けた経験を糧に、積み重なった悔しさを胸に、さらなる成長を遂げ、
史上最強のチームへとなって、絶対に、絶対にやり返してくれることでしょう。

「文化放送ライオンズナイター30周年」という節目の年に、
頂点に登りつめるライオンズの軌跡をお伝えすることはできませんでしたが、
「絶対に這い上がる」という執念を感じた149試合、
絶対に諦めない選手、そしてファンの姿が心に残るシーズンとなりました。

1年間、文化放送ライオンズナイターをお聴きいただき、本当にありがとうございました。
2012年、31年目を迎えるライオンズナイターは、必ず渡辺監督の胴上げの瞬間をお届けいたします!

≪次の試合予定≫
2012年、いざ開幕!3月30日(金)@札幌ドーム
北海道日本ハムファイターズvs埼玉西武ライオンズ